アマティに、今年になって三度目の危機が訪れた。
昨日の朝のお散歩から帰った後から呼吸が速く、苦しそうにしている。「酸素を用意しなければ」と思い始めていた。
これまでは後ろ足に力が入らず、階段はもちろん、平地でも後ろ足を引きずって歩くことがあった。ところが午前中、突然、前足にも力が入らなくなった。立つことも、お座りをすることもできない。前足も後ろ足もツルツルと滑り、体を支えられなくなってしまった。
仕方なく横になっていると、昼過ぎ、突然全身に痙攣が起きた。時間をおいて二度も繰り返したので、私たちは息をのんだ。
すぐ病院へ連れて行きたかったが、診察時間外だった。この日は私たち自身の病院の予約もあり、さらにチェロのレッスンが二人入っていたため、結局、私の手が空いたのは18時過ぎだった。
急いで病院へ向かう。
痙攣は治まっていたものの、体重はまだ28kgある。妻と二人で抱え上げ、ジムニーの荷室へなんとか寝かせる。病院に着いてからも、車から降ろすだけで一苦労だった。
検査結果は厳しかった。
- レントゲンでは、7月7日より肺炎が悪化している。
- 血液検査では炎症反応はほぼ改善している。
- 痙攣は脳の障害による可能性がある。
そこで先生と相談した結果、前回効果のあった抗生物質を続けるか、あるいはステロイドを使うかで悩んだ末、異例ではあるが両方を同時に投与することになった。
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待合室でぐったりしているアマティ。しかし、大好きな先生の姿を見つけると、うれしそうな表情を見せた。

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この子は、ご飯に薬を混ぜても、それはそれは器用に薬だけを器から出してしまう。
だから薬を飲ませるときは、いつも知恵比べだ。
しかし今回は、決定的な秘密兵器がある。
「いつかこんな日が来る。」
そう思って、何か月も前から冷凍庫に保存しておいたものだ。
それはグリーントライプ。蝦夷鹿の胃を生のまま冷凍した犬用食材である。
缶詰も用意してあるが、さらに生のものまで取り寄せておいた。
これが、とにかく臭い。人間には頭がクラクラするほどの強烈な匂いだ。
ところが犬にはたまらないらしい。封を開けた途端、飛び付いてくる。

これが熱処理をしていない、生のグリーントライプである。まさに野性そのもの。匂いも迫力満点だ。

匙を近づけた瞬間、ぐったりしていたアマティがハッと頭を上げ、その匙へ向かって突進してきた。
こちらは熱処理されたグリーントライプの缶詰。
先代のHanaが食べていた頃のグリーントライプ缶詰は猛烈な匂いだったが、十五年ぶりに開けてみると、あの野性的な臭気はほとんどなくなっていた。

晩ご飯は、生のグリーントライプと缶詰を混ぜ、そこへ錠剤を忍ばせ、さらにいつものフードを加えた。
「ちょっと多いかな」
そう思いながら出してみると、なんと薬ごと完食。器まできれいに舐め尽くした。
ふと見ると……
立って食べているではないか。

「もっとくれ!」って顔してますよ!...

このあと、妻と二人で道路まで抱えて行き、支えながら歩かせると、二、三回に分けて長い長いオシッコをした。
そして就寝。
夜中には二、三度寝場所を変えたようだ。私が目を覚ますたび、「今度はどこへ行った?」と家の中を探すことになった。
さて、今朝。
まだ立てないように見えたので、二人で抱えて道路まで連れて行くと、なんとトコトコと歩き始めた。
50メートルほど歩いて草ぼうぼうの空き地へ着くと、安心したように排尿。
出る、出る、出る。
よほど溜まっていたのだろう。


お家に帰ったらお水をがぶ飲み

お水のお代わりを要求

薬が効き始めたようだ。
抗生物質が効いたのか、それともステロイドなのか。それはわからない。
どちらも長く続けられる薬ではないだろうし、不安は消えない。
それでも、こんな表情のアマティを一日でも長く見られるなら、それだけで十分だ。
今は、ただ祈るしかない。
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